モダンで大きな存在感を持つデッキ、ドレッジ。新カードの参入と禁止改定を受けてどのように変化してきたのか見ていきます。
基本的にリストは晴れる屋さまのアーキタイプ別デッキ検索結果より。
日時:2011/06/23 プレイヤー:Erik Lauer
クリーチャー(25)
3《恐血鬼》
4《溺れたルサルカ》
4《ゴルガリの凶漢》
4《面晶体のカニ》
2《エメリアの盾、イオナ》
4《ナルコメーバ》
4《臭い草のインプ》ソーサリー(12)
3《戦慄の復活》
4《不可思の一瞥》
3《留まらぬ発想》
2《壌土からの生命》エンチャント(4)
4《黄泉からの橋》土地(19)
2《繁殖池》
3《島》
4《霧深い雨林》
1《草むした墓》
3《沸騰する小湖》
3《新緑の地下墓地》
3《湿った墓》サイドボード(15)
1《祖神に選ばれし者》
1《大修道士、エリシュ・ノーン》
1《失われた真実のスフィンクス》
4《暗黒破》
3《自然の要求》
4《虚空の力線》
1《虚空の杯》
マジックオンライン上でモダンの試運転が始まったのが2011年5月。そして8月の公式フォーマット認定と共に、戦慄の復活が禁止指定。よって正式スタート前の3か月だけ戦慄の復活が使えた計算。
まぁ、最速2ターン目にエメリアの盾、イオナがリアニメイトされるのは禁止もやむなし。
日時:2012/03/06 プレイヤー:BDeCandio7
クリーチャー(29)
4《極楽鳥》
1《大修道士、エリシュ・ノーン》
4《墓所這い》
4《面晶体のカニ》
4《水蓮のコブラ》
2《よろめく殻》
2《スカーブの殲滅者》
4《臭い草のインプ》
4《復讐蔦》ソーサリー(7)
4《信仰無き物あさり》
2《壌土からの生命》
1《掘葬の儀式》インスタント(2)
2《暗黒破》土地(22)
1《血の墓所》
1《繁殖池》
1《森》
1《神聖なる泉》
1《島》
4《霧深い雨林》
1《草むした墓》
3《沸騰する小湖》
1《蒸気孔》
1《踏み鳴らされる地》
1《沼》
1《寺院の庭》
4《新緑の地下墓地》
1《湿った墓》サイドボード(15)
1《絶望の天使》
1《エメリアの盾、イオナ》
2《呪文滑り》
4《スレイベンの守護者、サリア》
3《古えの遺恨》
2《骨までの齧りつき》
1《記憶の旅》
1《掘葬の儀式》
戦慄の復活禁止後のリスト。ご覧のように、根本的にデッキリストが変化しています。特に注目すべきは
・ナルコメーバ不採用
・復讐蔦が入っている
という2点。リストを見ると、戦慄の復活が禁止になったことでいわゆる「ドレッジ」というデッキは消滅してしまった印象。ドレッジは、ここからしばらく「復讐蔦デッキ」として使われていくことになります。
また2012年2月3日発売の『闇の隆盛』から、信仰無き物あさりを獲得したのも大きなポイント。
日時:2013/08/09 プレイヤー:nenboble
クリーチャー(25)
4《恐血鬼》
4《ゴブリンの奇襲隊》
2《ゴルガリの凶漢》
4《墓所這い》
4《ロッテスのトロール》
3《臭い草のインプ》
4《復讐蔦》ソーサリー
4《信仰無き物あさり》インスタント(11)
3《暗黒破》
4《忌まわしい回収》
4《稲妻の斧》土地(20)
4《黒割れの崖》
3《血の墓所》
3《銅線の地溝》
3《湿地の干潟》
3《草むした墓》
4《新緑の地下墓地》サイドボード(15)
2《大物狙い》
1《突然の衰微》
2《古えの遺恨》
1《自然に帰れ》
1《暗黒破》
2《根絶》
2《骨までの齧りつき》
1《ゴルガリの魔除け》
3《罪/罰》
2012年と大きな変化なし。やはり復讐蔦アグロという雰囲気。
日時:2014/08/10 プレイヤー:Jonathan Bustos
クリーチャー(25)
4《恐血鬼》
4《戦墓のグール》
3《ゴルガリの凶漢》
4《墓所這い》
4《ロッテスのトロール》
2《臭い草のインプ》
4《復讐蔦》ソーサリー(4)
4《信仰無き物あさり》インスタント(11)
4《突然の衰微》
3《暗黒破》
4《忌まわしい回収》土地(20)
2《黒割れの崖》
3《血の墓所》
2《森》
3《湿地の干潟》
3《草むした墓》
1《踏み鳴らされる地》
2《沼》
4《新緑の地下墓地》サイドボード(15)
2《古えの遺恨》
3《焼却》
2《破滅の刃》
1《骨までの齧りつき》
2《ゴルガリの魔除け》
1《壌土からの生命》
2《塩まき》
2《虚無の呪文爆弾》
2013年と大きな変化なし。
日時:2015/03/14 プレイヤー:LEGION273
クリーチャー(26)
3《恐血鬼》
4《ゴルガリの墓トロール》
4《墓所這い》
4《グルマグのアンコウ》
4《ロッテスのトロール》
3《サテュロスの道探し》
4《復讐蔦》ソーサリー(4)
4《信仰無き物あさり》インスタント(11)
3《突然の衰微》
2《暗黒破》
3《忌まわしい回収》
2《残忍な切断》土地(20)
4《黒割れの崖》
2《血の墓所》
4《血染めのぬかるみ》
1《森》
4《草むした墓》
1《沼》
4《樹木茂る山麓》サイドボード(15)
2《呪文滑り》
4《古えの遺恨》
3《骨までの齧りつき》
2《ゴルガリの魔除け》
1《大渦の脈動》
3《思考囲い》
2015年1月23日にゴルガリの墓トロールが禁止解除。しかし、まだ復讐蔦デッキ。
日時:2016/06/29 プレイヤー:Capitano_CL
クリーチャー(24)
4《恐血鬼》
4《ゴルガリの墓トロール》
4《傲慢な新生子》
4《ナルコメーバ》
4《秘蔵の縫合体》
4《臭い草のインプ》ソーサリー(15)
1《農民の結集》
4《燃え立つ調査》
3《燃焼》
4《信仰無き物あさり》
2《壌土からの生命》
1《苦しめる声》インスタント(2)
2《暗黒破》土地(19)
3《黒割れの崖》
4《真鍮の都》
2《ダクムーアの回収場》
4《宝石鉱山》
4《マナの合流点》
2《山》サイドボード(14)
4《古えの遺恨》
2《暗黒破》
3《骨までの齧りつき》
2《稲妻の斧》
3《自然の要求》
2016年4月8日発売の『イニストラードを覆う影』から、傲慢な新生子&秘蔵の縫合体が参入。また秘蔵の縫合体との相性が良いナルコメーバも再び使われるように。復讐蔦は不採用。
『イニストラードを覆う影』発売後もしばらくは復讐蔦を使うレシピが多くありました。大まかな流れとしては
①復讐蔦+ナルコメーバ+秘蔵の縫合体
②復讐蔦が抜けて、ナルコメーバ+秘蔵の縫合体+大いなるガルガドン+黄泉からの橋(2016年5月当時の参考記事)
③生け贄ギミックが抜けた純粋な墓地利用ビートダウン
という感じ。2019年4月現在の私たちがイメージする「ドレッジ」は、ここでようやくが誕生したと言えるでしょう。
日時:2016/12/31 プレイヤー:_Tilt_
クリーチャー(25)
4《恐血鬼》
4《ゴルガリの墓トロール》
4《傲慢な新生子》
4《ナルコメーバ》
4《秘蔵の縫合体》
1《災いの悪魔》
4《臭い草のインプ》ソーサリー(15)
4《安堵の再会》
1《集団的蛮行》
3《燃焼》
4《信仰無き物あさり》
3《壌土からの生命》土地(20)
4《乾燥台地》
2《血の墓所》
4《銅線の地溝》
2《ダクムーアの回収場》
2《山》
1《蒸気孔》
2《踏み鳴らされる地》
3《樹木茂る山麓》サイドボード(15)
2《オリヴィア・ヴォルダーレン》
1《古えの遺恨》
2《暗黒破》
4《自然の要求》
2《集団的蛮行》
4《虚空の力線》
2016年9月30日発売の『カラデシュ』から安堵の再会を獲得。
ディスカード&ドローが1枚づつ増えたのはドレッジにとって超便利。この構成が強すぎたため、ゴルガリの墓トロールは2017年1月20日に禁止カードに指定されます。
日時:2018/01/21 プレイヤー:AlwaysIn2Somethn
クリーチャー(24)
4《恐血鬼》
3《ゴルガリの凶漢》
1《憑依された死体》
4《傲慢な新生子》
4《ナルコメーバ》
4《秘蔵の縫合体》
4《臭い草のインプ》ソーサリー(14)
4《安堵の再会》
3《燃焼》
4《信仰無き物あさり》
3《壌土からの生命》インスタント(1)
1《暗黒破》土地(21)
3《乾燥台地》
2《黒割れの崖》
1《血の墓所》
2《血染めのぬかるみ》
3《銅線の地溝》
2《ダクムーアの回収場》
2《宝石鉱山》
2《山》
2《踏み鳴らされる地》
2《樹木茂る山麓》サイドボード(15)
2《突然の衰微》
2《古えの遺恨》
1《暗黒破》
2《稲妻の斧》
2《貪欲な罠》
3《集団的蛮行》
2《思考囲い》
1《虚空の力線》
ゴルガリの墓トロール禁止後のリスト。構成としては大きな変化なし。
日時:2019/03/31 プレイヤー:Tobias Roos
クリーチャー(18)
4《恐血鬼》
2《ゴルガリの凶漢》
4《ナルコメーバ》
4《秘蔵の縫合体》
4《臭い草のインプ》ソーサリー(18)
4《安堵の再会》
2《燃焼》
4《這い寄る恐怖》
4《信仰無き物あさり》
4《壌土からの生命》インスタント(1)
1《暗黒破》アーティファクト(4)
4《叫び角笛》土地(19)
1《乾燥台地》
2《血の墓所》
1《血染めのぬかるみ》
1《真鍮の都》
4《銅線の地溝》
1《宝石鉱山》
1《幽霊街》
2《山》
2《沸騰する小湖》
2《踏み鳴らされる地》
2《樹木茂る山麓》サイドボード(15)
3《古えの遺恨》
1《減衰球》
1《仕組まれた爆薬》
2《虚空の力線》
3《稲妻の斧》
4《自然の要求》
1《外科的摘出》
2019年3月の最新リスト。 2018年10月5日発売の「ラヴニカのギルド」から、這い寄る恐怖が参入。0マナ3点ドレインによってデッキが大きく強化されました。
そして、もう1つ注目すべきが叫び角笛が採用されていること。
実は、ドレッジの歴史の中でほとんど使われてこなかったカード。 2011年2月4日発売の「ミラディン包囲戦」収録なので、昔から使用可能だったけど表舞台には出てきませんでした。
調べてみると2018年7月のモダンチャレンジで叫び角笛タイプのドレッジが1位になり、そこから採用率が上昇して4枚入りが新たな定番となっています。これ以前は傲慢な新生子が1マナ域として使われていました。
「手札を1枚ルーティングするより、墓地に6枚落としたほうが効率いいんじゃね……?」という発見があったんでしょう。単体で見ると地味すぎてリミテですら使われないようなカードがモダンのメタ上位をさらに強化する大発見になるとは。MTGはおもしろいですねぇ。
というわけで、ドレッジの2011年~2019年のリストでした。全体をまとめると
・いわゆる「ドレッジ」が成立したのは秘蔵の縫合体の影響。2016年4月以前は復讐蔦デッキとして使われていた。
・2017年1月にゴルガリの墓トロール再禁止
・叫び角笛が定番となったのは2018年7月以降。
ここら辺がおもしろいポイントでしょうか。また11年と19年のリストを比べると共通しているのは27枚だけ。こんなに違いが大きい原因は主に土地構成。11年時点では青黒ベースだったのに対し、戦慄の復活禁止以降は赤緑ベースのデッキとして機能してきました。
今回引用したリストはすべて晴れる屋のアーキタイプ別デッキリスト集より。
興味のある人はぜひ自身の目でも調べてみてください。
みんなの感想
とても興味深い記事でした応援してます
入れ替わりで何が抜けたのかが分かって面白かったです