2018年10月5日発売の「ラヴニカのギルド」。これを最新セットとするスタンダード環境で活躍したデッキを紹介します。
公式カードリスト
黒緑ミッドレンジ
サンプルレシピはhttps://magic.wizards.com/en/events/coverage/gpshi18-standard/top-8-decklists-2018-12-01より
プレイヤー:ATSUSHI NAKASHIMA 実績:GP静岡2018 1位
*赤文字はラヴニカのギルドよりの新カード
プレインズォーカー(4)
1 ゴルガリの女王、ヴラスカ/Vraska, Golgari Queen
2 ビビアン・リード/Vivien Reid
1 秘宝探究者、ヴラスカ/Vraska, Relic Seekerクリーチャー(24)
4 ラノワールのエルフ/Llanowar Elves
4 マーフォークの枝渡り/Merfolk Branchwalker
3 野茂み歩き/Wildgrowth Walker
1 探求者の従者/Seekers’ Squire
4 翡翠光のレインジャー/Jadelight Ranger
2 真夜中の死神/Midnight Reaper
2 貪欲なチュパカブラ/Ravenous Chupacabra
2 破滅を囁くもの/Doom Whisperer
2 殺戮の暴君/Carnage Tyrantソーサリー(3)
3 採取+最終/Find+Finalityインスタント(5)
2 喪心/Cast Down
3 ヴラスカの侮辱/Vraska’s Contempt
土地(24)
4 草生した墓/Overgrown Tomb
4 森林の墓地/Woodland Cemetery
2 愚蒙の記念像/Memorial to Folly
1 ゴルガリのギルド門/Golgari Guildgate
1 探知の塔/Detection Tower
7 森/Forest
5 沼/Swamp
60 Cardsサイドボード(15)
1 殺戮の暴君/Carnage Tyrant
1 ヴラスカの侮辱/Vraska’s Contempt
3 強迫/Duress
2 黄金の死/Golden Demise
2 打ち壊すブロントドン/Thrashing Brontodon
1 略奪者の急襲/Reaver Ambush
1 暗殺者の戦利品/Assassin’s Trophy
3 最古再誕/The Eldest Reborn
1 貪る死肉あさり/Deathgorge Scavenger
主に5~6マナ域の優秀なクリーチャーとPWをフィニッシャーとする中速デッキです。
1マナのマナ加速クリーチャーであるラノワールのエルフに加えて、マーフォークの枝渡り&探求者の従者&翡翠光のレインジャーという2種類の探検クリーチャーによってデッキの動きが安定しています。
さらに探検によって強化されつつライフゲインもできる野茂み歩きがアグロデッキに対して非常にコストパフォーマンスの高い壁役として働きます。
採取+最終はアドバンテージ獲得と全体除去を兼ねる強力なスペル。自分のファッティを残しつつ相手の小型クリーチャーを壊滅させられるため、こちらも軽量デッキに有効。墓地回収モードがあるのでコントロール相手にも無駄になりません。
フィニッシャーとしては特に殺戮の暴君が多用されます。打ち消されない+呪禁でコントロール相手からミッドレンジ対決まで幅広いマッチで高い戦闘能力を発揮。
安定感、対応力、後半の盤面支配力に優れていて環境初期からトップメタに君臨し続けているデッキです。
全体的にEtB誘発を持っているクリーチャーが多いのでトカートリの儀仗兵を出されると減速するのは数少ない弱点の1つ。
また探検クリーチャーを減らして2マナのマナ加速クリーチャーである僧帽地帯のドルイドを採用したタイプもあります。
環境初期にはゴルガリの拾売人+最古再誕でアドバンテージを取る形が主流でしたが、より安定した殺戮の暴君を増やす型が増えていきました。
このように黒緑ミッドレンジの中でも時期・プレイヤーによって多くの違いがあり、これが他のデッキから対策されにくい理由となっています。
ジェスカイコントロール
サンプルレシピはhttps://magic.wizards.com/en/articles/archive/mtgo-standings/standard-ptq-2018-11-18より
プレイヤー:NIKITO18 実績:MOPTQ5位(2018年11月17日)
*赤はラヴニカのギルドより登場した新カード
プレインズウォーカー(4)
4 ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominariaクリーチャー(5)
3 弾けるドレイク/Crackling Drake
2 パルン、ニヴ=ミゼット/Niv-Mizzet, Parunソーサリー(5)
1 浄化の輝き/Cleansing Nova
4 轟音のクラリオン/Deafening Clarionインスタント(16)
2 薬術師の眼識/Chemister’s Insight
2 発展+発破/Expansion+Explosion
4 選択/Opt
4 活力回復/Revitalize
4 悪意ある妨害/Sinister Sabotageエンチャント(5)
4 封じ込め/Seal Away
1 アズカンタの探索/Search for Azcanta
土地(25)
3 断崖の避難所/Clifftop Retreat
4 氷河の城砦/Glacial Fortress
5 島/Island
1 山/Mountain
4 聖なる鋳造所/Sacred Foundry
4 蒸気孔/Steam Vents
4 硫黄の滝/Sulfur Falls
60 Cardsサイドボード(15)
1 パルン、ニヴ=ミゼット/Niv-Mizzet, Parun
2 軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke
2 神聖の発動/Invoke the Divine
1 イクサランの束縛/Ixalan’s Binding
3 黎明をもたらす者ライラ/Lyra Dawnbringer
3 否認/Negate
1 原初の潮流、ネザール/Nezahal, Primal Tide
2 絶滅の星/Star of Extinction
2ターン目まではカウンター・クリーチャー除去でしのぎ3ターン目以降に全体除去で場をリセット。その後フィニッシャーを出して逆転を目指す低速デッキです。フィニッシャーとなるのは弾けるドレイクとパルン、ニヴ=ミゼットなど。
ドローと妨害を高水準で両立した環境最高峰のPWであるドミナリアの英雄、テフェリーが青白を使う理由。そして安定した全体除去である轟音のクラリオンとフィニッシャーとなるパルン、ニヴ=ミゼットなどが赤を使う理由になります。
破壊不能で除去スペルを無効化してくるアダントの先兵を苦手としており、後期のリストでは対策となる封じ込めの採用枚数が増加。
またサイドにある絶滅の星はPWとクリーチャーを同時に大量展開してくる黒緑ミッドレンジへの有効な回答になります。
青赤スペル
サンプルレシピはhttps://magic.wizards.com/en/events/coverage/gpmil18/top-8-decklists-2018-11-18より
プレイヤー:OWEN TURTENWALD 実績:GP MILWAUKEE 2018 8位
*赤文字はラヴニカのギルドより追加された新カード
クリーチャー(12)
4 弧光のフェニックス/Arclight Phoenix
4 弾けるドレイク/Crackling Drake
4 ゴブリンの電術士/Goblin Electromancerソーサリー(11)
1 標の稲妻/Beacon Bolt
4 航路の作成/Chart a Course
1 幻惑の旋律/Entrancing Melody
3 溶岩コイル/Lava Coil
2 苦しめる声/Tormenting Voiceインスタント(15)
1 一瞬/Blink of an EyeBlink of an Eye
2 発見+発散/Discovery+Dispersal
4 選択/Opt
4 急進思想/Radical Idea
4 ショック/Shockエンチャント(1)
1 ミラーリ予想/The Mirari Conjecture
土地(21)
7 島/Island
6 山/Mountain
4 蒸気孔/Steam Vents
4 硫黄の滝/Sulfur Falls
60 Cardsサイドボード(15)
1 標の稲妻/Beacon Bolt
2 幻惑の旋律/EEntrancing Melody
1 溶岩コイル/Lava Coil
1 苦悩火/Banefire
2 つぶやく神秘家/Murmuring Mystic
2 否認/Negate
2 パルン、ニヴ=ミゼット/Niv-Mizzet, Parun
1 イゼット副長、ラル/Ral, Izzet Viceroy
2 シヴの火/Shivan Fire
1 絶命の星/Star of Extinction
青赤フェニックスは、スペルを同ターンに三回唱えて弧光のフェニックスを墓地から戻すことを目指す変則的な中速ビードダウンです。別称として「青赤スペル」もよく使われます。基本的に1~2ターン目はドローと除去、3ターン目以降にアタッカーを出していく構造。
弧光のフェニックスはスポイラー時期はまったく期待されていなかったカード、それを中心とした本アーキタイプも多くのプレイヤーにとっては予想外の結果となりました。
ゴブリンの電術士からブン回れば3ターン目に弧光のフェニックスを複数場に戻せるので、最短4ターンキルも可能な速さが魅力。
スペル重視の構成、ルーティングスペルを多用する戦略と相性のいい弾けるドレイクも強力アタッカーとして4枚積みされます。
また、奇怪なドレイクの有無によって「青赤フェニックス」と「青赤ドレイク」と呼び分ける場合も。環境後期にはドレイク型が主流となりました。
主力アタッカーとなる3種とも飛行持ちなのでブロックされにくいのは強みですが、飛行対策カードビビアン・リードが天敵となります。
白緑トークン
サンプルレシピはhttps://magic.wizards.com/en/events/coverage/gpshi18-standard/tournament-resultsより
プレイヤー:夏目 拓哉 実績:GP静岡2018 2位
*赤文字はラヴニカのギルドよりの新カード
プレイズンウォーカー(2)
2 暴君への敵対者、アジャニ/Ajani, Adversary of Tyrantsクリーチャー(14)
4 アダントの先兵/Adanto Vanguard
3 協約の魂、イマーラ/Emmara, Soul of the Accord
3 不和のトロスターニ/Trostani Discordant
4 敬慕されるロクソドン/Venerated Loxodonソーサリー(8)
4 開花+華麗/Flower+Flourish
4 苗木の移牧/Saproling Migrationインスタント(4)
4 大集団の行進/March of the Multitudesエンチャント(11)
4 議事会の裁き/Conclave Tribunal
4 ベナリア史/History of Benalia
3 軍団の上陸/Legion’s Landing
土地(21)
1 オラーズカの拱門/Arch of Orazca
4 陽花弁の木立ち/Sunpetal Grove
4 寺院の庭/Temple Garden
8 森/Forest
4 平地/Plains
60 Cardsサイドボード(15)
1 暴君への敵対者、アジャニ/Ajani, Adversary of Tyrants
3 秋の騎士/Knight of Autumn
4 無効皮のフェロックス/Nullhide Ferox
3 不可解な終焉/Baffling End
1 イクサランの束縛/Ixalan’s Binding
1 残骸の漂着/Settle the Wreckage
1 ビビアン・リード/Vivien Reid
1 一斉検挙/Citywide Bust
軽めのスペルでトークンを生成しながら攻撃していき、終盤では全体強化と合わせて一気に決着をつける中速デッキです。
序盤はトークン生成は軍団の上陸・ベナリア史・苗木の移牧・協約の魂、イマーラなど。
全体強化は不和のトロスターニ、・開花+華麗の「華麗」・敬慕されるロクソドンなど。
大軍団の行進は召集付きのXスペルで終盤に一気に大量のトークンを追加できるフィニッシャー。
絆魂持ちのトークンを出すカードが多いので軽量アグロデッキとのライフレースに有利で、1枚のカードで複数のトークンを生成できるので単体除去にも比較的強いデッキです。
ただし環境トップの緑黒ミッドレンジとの中速対決でパワー負けしやすく、トップメタからは一歩引いた立ち位置と言えます。
白赤アグロ
サンプルレシピはhttps://magic.wizards.com/en/articles/archive/mtgo-standings/standard-mocs-2018-11-25より
プレイヤー:TIEMUUU 実績:STANDARD MOCS8-0 (2018年11月24日)
*赤字はラヴニカのギルドより登場した新カード
プレインズウォーカー(2)
2 暴君への敵対者、アジャニ/Ajani, Adversary of Tyrants
クリーチャー(19)
4 アダントの先兵/Adanto Vanguard
3 追われる証人/Hunted Witness
4 空渡りの野心家/Skymarcher Aspirant
4 短角獣の歩哨/Snubhorn Sentry
4 敬慕されるロクソドン/Venerated Loxodon
ソーサリー(4)
4 英雄的援軍/Heroic Reinforcements
エンチャント(12)
4 議事会の裁き/Conclave Tribunal
4 ベナリア史/History of Benalia
4 軍団の上陸/Legion’s Landing
土地/(23)
4 断崖の避難所/Clifftop Retreat
2 山/Mountain
13 平地/Plains
4 聖なる鋳造所/Sacred Foundry
60 Cards
サイドボード(15)
1 正義の模範、オレリア/Aurelia, Exemplar of Justice
4 不可解な終焉/Baffling End
2 実験の狂乱/Experimental Frenzy
2 イクサランの束縛/Ixalan’s Binding
2 防御牝馬/Shield Mare
4 トカートリの儀仗兵/Tocatli Honor Guard
1~3マナのクリーチャーで序盤から攻め込む軽量高速デッキです。
アダントの先兵は攻撃時パワー3と高水準かつ、ライフペイだけでテンポを落とさず除去耐性を得られる環境最高の軽量アタッカーとして注目されています。
クリーチャーは基本的に白単で、赤をタッチしているのは主に英雄的援軍と実験の狂乱が目的。
アダントの先兵が除去されにくく、サイドからは実験の狂乱によって長期的に大量のアドバンテージが取れるため比較的コントロールには強いデッキとなっています。
サイドにあるトカートリの儀仗兵はアタッカーとしての性能は低いものの黒緑デッキに対するアンチカードとしての採用。
環境最初期は注目度が低いアーキタイプでしたが、プロツアー『ラヴニカのギルド』においてトップ8中6個を占める大活躍。環境上位デッキとしての認知されるようになりました。
白赤天使
サンプルレシピはhttps://magic.wizards.com/en/events/coverage/gpnj18/top-8-decklists-2018-10-28より
プレイヤー:Brad Nelson 実績:GP NEW JERSEY 2018 2位
*赤文字はラヴニカのギルドから登場した新カード
クリーチャー(22)
4 アダントの先兵/Adanto Vanguard
3 正義の模範、オレリア/Aurelia, Exemplar of Justice
3 黎明をもたらす者ライラ/Lyra Dawnbringer
4 再燃するフェニックス/Rekindling Phoenix
4 輝かしい天使/Resplendent Angel
4 トカートリの儀仗兵/Tocatli Honor Guardソーサリー(4)
4 溶岩コイル/Lava Coilインスタント(3)
1 裁きの一撃/Justice Strike
2 ショック/Shockエンチャント(6)
4 ベナリア史/History of Benalia
2 イクサランの束縛/Ixalan’s Binding
土地(25)
3 ボロスのギルド門/Boros Guildgate
4 断崖の避難所/Clifftop Retreat
5 山/Mountain
9 平地/Plains
4 聖なる鋳造所/Sacred Foundry
60 Cardsサイドボード(15)
1 イクサランの束縛/Ixalan’s Binding
3 轟音のクラリオン/Deafening Clarion
4 凶兆艦隊の向こう見ず/Dire Fleet Daredevil
2 火による戦い/Fight with Fire
3 封じ込め/Seal Away
2 不滅の太陽/The Immortal Sun
軽量の除去と、1~5マナまでのクリーチャーをバランスよく採用している中速のミッドレンジです。3マナ以降のクリーチャーが主軸となります。
デッキ名の通り、輝かしい天使・正義の模範、オレリア・黎明をもたらす者ライラと天使クリーチャーが3種類も。これに加えて豊潤の声、シャライを使うレシピも。黎明をもたらす者ライラには天使のロード能力があるので上手く並べられれば非常に強力。
その他、アダントの先兵は破壊不能を得られるので除去されにくく、特にジェスカイコントロールに対する重要なアタッカー。またトカートリの儀仗兵はEtB誘発能力でアドバンテージを稼いでくる緑黒ミッドレンジへの対策になります。
しかし、全体的なデッキパワーがやや不足気味でトップメタのデッキ群と比べると一歩下がった立ち位置です。
赤単アグロ
サンプルレシピはhttps://magic.wizards.com/en/articles/archive/mtgo-standings/standard-ptq-2018-11-11より
プレイヤー:PROTOURFREDDIE 成績:STANDARD PTQ1位(2018年11月11日)
*赤文字はラヴニカのギルドから登場した新カード
クリーチャー(20)
4 狂信的扇動者/Fanatical Firebrand
4 ギトゥの溶岩走り/Ghitu Lavarunner
4 ゴブリンの鎖回し/Goblin Chainwhirler
4 遁走する蒸気族/Runaway Steam-Kin
4 ヴィーアシーノの紅蓮術師/Viashino Pyromancerインスタント(16)
4 稲妻の一撃/Lightning Strike
4 危険因子/Risk Factor
4 ショック/Shock
4 魔術師の稲妻/Wizard’s Lightningエンチャント(3)
3 ケルドの炎/The Flame of Keld
土地(21)
21 山/Mountain
60 Cardsサイドボード(15)
2 苦悩火/Banefire
3 実験の狂乱/Experimental Frenzy
3 焦熱の連続砲撃/Fiery Cannonade
3 火による戦い/Fight with Fire
4 溶岩コイル/Lava Coil
攻撃性能が高い軽量クリーチゃーと本体火力を連打して戦う高速アグロデッキです。
特に注目するべきカードは2種類。まず、遁走する蒸気族。
この赤単色デッキにおいては成長が速く2マナ4/4というボディで主力クリーチャーとして活躍。起動型能力によって強烈なマナ加速にも。デッキの回転速度を上げたり、土地枚数に比べて重いカードの採用も可能にしてくれます。
そして、もう1種類が実験の狂乱。スポイラー段階では評価が低くかったのですがリリース後には評価が向上したカード。
デッキトップが2枚連続で土地になるまでは呪文のプレイが可能、軽量カードが多いこのデッキでは実質的に毎ターン2枚、3枚のドローになることも珍しくありません。
そして遁走する蒸気族との相性も非常によく、3回呪文をプレイすれば3マナ返ってくるので1マナ呪文であれば実質的に0マナで次々に唱えられる計算に。引用したリストでは実験の狂乱はサイドになっていますが、メインから遁走する蒸気族+実験の狂乱のシナジーを狙うリストも多く存在します。
MTGの歴史における一般的な赤単アグロのイメージと比べると、実験の狂乱により中盤以降でも息切れしにくいのが特徴と言えそうです。
他にも危険因子、溶岩コイルもラヴニカのギルドから登場した新カード。
これらに加えて、前環境「カラデシュ~M19」期の赤単からギトゥの溶岩走り&ヴィーアシーノの紅蓮術師+魔術師の稲妻というウィザード部族シナジーも続けて利用されています。
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